― 人は、少しずつ変わっていく
ASTAGEを利用している皆さんと長く関わっていると、ときどき、
「ああ、この人、本当に変わったな」
と思う瞬間があります。
最初の頃は、思ったことや感情がそのまま表に出ていた人が、今では穏やかな表情で人と接している。
自分の考えを伝えることに一生懸命だった人が、相手の話を最後まで聞けるようになっている。
以前は他の人のことや、その人が歩んできた人生にあまり関心を示さなかった人が、
「その人は、どうしてそう思ったんだろう」
と、誰かの気持ちや考えに目を向けるようになる。
どれも、一日で起きる変化ではありません。
でも、しばらくして振り返ってみると、
「以前とは、ずいぶん違うな」
と感じることがあります。
そんな姿を目の当たりにすると、本当にうれしくなります。
「怒られた」が、少しずつ変わっていく
変化を感じる場面の一つが、指摘やアドバイスを受けたときです。
以前なら、
「怒られた」
「否定された」
「自分のことを悪く言われた」
と受け取っていた言葉を、
少しずつ、
「自分の成長のために言ってくれているのかもしれない」
と受け止められるようになる。
もちろん、毎回すぐにそう思えるわけではありません。
感情が動くこともある。
納得できないこともある。
同じところで、またつまずくこともあります。
それでも、
以前とは少し違う受け取り方ができた。
一度立ち止まって考えられた。
相手の話を最後まで聞いてみようと思えた。
私は、そんな小さな変化をとても大切にしています。

成長は、もっと静かなものなのかもしれない
成長というと、
「これができるようになった」
「就職が決まった」
「資格を取った」
といった、分かりやすい結果を思い浮かべることがあります。
もちろん、それも大切です。
でも、ASTAGEで日々感じる成長は、それだけではありません。
表情が少し柔らかくなった。
人の話を聞けるようになった。
自分とは違う考えを、すぐに否定しなくなった。
誰かが困っていることに気づくようになった。
「自分はこう思う」だけではなく、
「相手はどう思っているんだろう」
と考えられるようになった。
一つひとつだけを見ると、本当に小さな変化です。
本人自身は、自分が変わっていることに気づいていないこともあります。
でも、長くそばで見ていると分かります。
薄紙を一枚ずつ、はがしていくように、人は少しずつ変わっていく。
そんな成長があるのだと思います。

ご家族だからこそ、分かる変化もある
そして、その変化に気づくのは、私たちだけではありません。
ご家族から、
「家でも穏やかになりました」
「以前とは少し話し方が変わりました」
といったお話を聞くことがあります。
中には、
「ASTAGEに卒業がなければいいのに」
「ずっと通ってほしい」
と言ってくださることもあります。
そう言っていただけることは、本当にありがたいです。
それだけご家庭でも変化を感じてくださっているのだと思うと、私たちもうれしくなります。
でも同時に、私は思います。
ずっとASTAGEにいることが目的ではない
ASTAGEには、利用できる期間があります。
私たちが目指しているのは、
ずっとASTAGEにいられるようになることではありません。
ここで、人と関わる。
失敗する。
考える。
人の話を聞く。
自分のことを知る。
ときには誰かに助けてもらう。
そして、少しずつ自分なりの人との付き合い方や、生き方を身につけていく。
その力を持って、次の場所へ進んでほしいと思っています。
卒業するときに、すべての課題がなくなっている必要もありません。
誰にだって課題はあります。
もちろん、私にもあります。
大切なのは、以前と同じような出来事が起きたときに、
少し違う考え方ができる。
少し違う選択ができる。
少し違う人との関わり方ができる。
その積み重ねなのだと思います。
人は、変わる
人は、そんなに簡単には変わらない。
私自身、そう思うことがあります。
でも同時に、
人は、ちゃんと変わっていく。
とも思います。
一気にではありません。
行ったり戻ったりもしながら。
薄紙を一枚ずつはがすように、
少しずつ。
だからこそ私たちは、その小さな変化を見逃さず、
「前とは、ちょっと違うね」
と、一緒に喜べる存在でありたいと思っています。
まだまだ課題があっていい。
完成していなくていい。
昨日までとは少し違う自分になっている。
その積み重ねが、その人のこれからにつながっていくのだと思います。
そして今日よりほんの少し、
「明日をちょっとご機嫌に。」
一枚、また一枚。
自分でも気づかないくらいの小さな変化を積み重ねながら、その人らしい未来へ進んでいけたらと思っています。

