ASTAGEで過ごしていると、時々、スタッフが思わず目を細めるような光景があります。
これまで周りから声をかけてもらっていた人が、今度は困っている仲間に声をかけている。
自分のことで精一杯だった人が、誰かの様子を気にかけている。
以前ならスタッフに助けを求めていたような場面で、自分から誰かをフォローしている。
そんな姿です。
もちろんスタッフは、
「大丈夫かな」
と、内心少しひやひやしながら見守っていることもあります(笑)。
でも、あとでスタッフ同士、
「あの姿、よかったな」
「変わったよな」
と話す。
私は、そんな時間が結構好きです。
人は、まっすぐには成長しない
ASTAGEで過ごす時間が、ずっと順調に進むわけではありません。
人との関係でつまずくこともある。
感情が大きく揺れることもある。
「もう行きたくない」と思うこともある。
少し休んで、また戻ってくることもある。
自分の気持ちを吐き出して、少し落ち着いて、また人と関わってみる。
人の言葉を受け入れられる日もあれば、受け入れられない日もあります。
一歩進んだと思ったら、また戻る。
そして、もう一度やってみる。
人の成長は、そんなことの繰り返しなのかもしれません。
だから私たちスタッフも、すぐに結果を求めるのではなく、その人の変化をできるだけ長い目で見ていきたいと思っています。
いろいろあったから、分かることもある
そして面白いのは、いろいろな経験をしてきた人だからこそ、誰かのしんどさに気づけることがあるということです。
自分が不安だったから、不安そうな人が分かる。
自分がうまく話せなかったから、言葉が出てこない人を待てる。
自分が誰かに声をかけてもらったから、今度は自分から、
「大丈夫?」
と声をかけられる。
もちろん、すべてがそうなるわけではありません。
でも、自分が支えてもらった経験が、いつか誰かを支える力に変わることがあります。
自分がしてもらったことを、今度は誰かに返している。
そんな光景を見ると、人の成長ってすごいなと思います。
「ありがとう」と言われる側になる
ASTAGEを利用し始めた頃は、「支援してもらう場所」と感じている人もいるかもしれません。
でも、人はずっと支えられるだけの存在ではありません。
誰かの準備を手伝う。
困っている仲間に声をかける。
自分が知っていることを教える。
一緒に考える。

誰かのために動いて、
「ありがとう」
と言われる。
その経験は、とても大きいと思います。
「自分にもできることがある」
「自分も誰かの役に立てる」
それは誰かから「もっと自信を持って」と言われるより、自分自身が実感できる経験なのではないでしょうか。
人が育つ。そして、場も育つ。
こうした変化は、スタッフだけでつくれるものではありません。
一緒に過ごす仲間がいる。
うまくいかないときも関わり続けるスタッフがいる。
ASTAGEに来てくださる外部の方々がいる。
会社や地域に出て、いろいろな人や価値観に触れる機会がある。
そのすべてが重なり合って、人は少しずつ変わっていきます。

そして、一人が変わると、その人が今度は別の誰かに影響を与える。
支えてもらっていた人が、誰かを支える。
その姿を見た別の人が、また何かを感じる。
そうやって、
人が育ち、仲間が育ち、そして場そのものが育っていく。
私は、それもASTAGEという小さな社会の大切な姿だと思っています。
人が変わっていく瞬間は、案外、派手ではありません。
誰かに声をかける。
困っている人を少し手伝う。
自分の経験を、今度は誰かのために使う。
そんな何気ない姿の中に、
「ああ、この人、変わったな」
と感じる瞬間があります。
一人の人生が少しずつ好転していく。
そして、その人の変化が、また誰かの力になっていく。
そんな瞬間に立ち会えることは、
この仕事の何よりの喜びです。
そして今日よりほんの少し、
「明日をちょっとご機嫌に。」
そんな毎日を、みんなでつくっていけたらと思っています。

