「自分は、あまり変わっていない」
そう感じている人もいるかもしれません。
でも、毎日一緒に過ごしている私たちには、ふとした瞬間に、
「変わったなあ」
と感じることがあります。
最初は表情が硬かった人の笑顔が増えた。
なかなか目が合わなかった人と、自然に目が合うようになった。
スタッフからの指摘やアドバイスを受け止めることが難しかった人が、一度立ち止まって話を聞けるようになった。
感情が大きく揺れていた人が、少しずつ落ち着いて考えられるようになった。
どれも資格のように形に残るものではありません。
でも私は、こういう変化も大切な成長だと思っています。
あのときの言葉が、あとになって分かる
ASTAGEには、経営者をはじめ、さまざまなゲストの方に来ていただき、お話を聞く機会があります。
最初はあまり興味を示さなかった人が、あるときゲストの一言に心を動かされ、それから話を聞く姿勢が変わったことがありました。
もちろん、その場ですぐに何かが変わるわけではありません。
聞いたときには分からなかったことが、何か月も経って、
「あ、あのとき聞いたのは、このことか」
とつながることがあります。
人生なんて、あとになって分かることだらけです。
だから、今の自分に成長を感じられなくてもいい。
大切なのは、今の自分のどんなところを変えたいと思っているのかを知っておくこと。
いつか振り返ったとき、それが自分の成長に気づくための物差しになるからです。

成長は、誰かへの関わり方にも表れる
私が特に成長を感じるのが、卒業式です。
卒業生が後輩の卒業式に、自分の予定を変えてまで来てくれる。
卒業する人が、仲間一人ひとりに手紙やプレゼントを用意する。
誰かがつらそうにしていたら、そっと見守る。
卒業した人が、今度は新しくASTAGEに来た人に声をかける。
そんな姿を見ることもあります。

そして卒業式が終わったあとも、私は好きな光景があります。
普段ならすぐに帰る人たちが、その日はなぜか帰らない。
誰が「見送ろう」と言ったわけでもないのに、卒業する仲間が帰るまで残っている。
そして、みんなで見送る。
そんな姿を見ると、
「ああ、成長したな」
と思うのです。
就職した。資格を取った。一人でできることが増えた。
もちろん、それも成長です。
でも、人の気持ちを考えられるようになったこと。
誰かの喜びを一緒に喜べるようになったこと。
困っている仲間のそばに、そっといられるようになったこと。
それも私は、立派な成長だと思います。
だからでしょうか。
ASTAGEの卒業式で見るみんなの笑顔は、本当にいい顔をしています。
成長とは、大きく変わることだけではありません。
本人さえ気づかないうちに、その人の表情に、言葉に、そして誰かへの優しさに表れている。
私たちは、そんな小さな変化も見逃さずにいたいと思っています。

