「どうしたらいいですか?」
ASTAGEの「チャレンジクッキング」で、よくある場面です。
レシピはあります。でも、なかなか先に進まない。
何をすればいいのか分からなくなり、スタッフに助けを求めます。
そんなとき、私たちはすぐに答えを教えないことがあります。
「もう一度、レシピを読んでみようか」
「グループのみんなで話し合ってみたら?」
本人からすれば、
「なんで教えてくれないの?」
と戸惑います。
ときには、「助けてくれない」「意地悪されている」と感じることさえあります。
でも、そこには理由があります。
答えを教えたほうが、ずっと早い
スタッフが答えを教えれば、料理は早く完成します。
代わりにやれば、失敗も少なくなります。
でも、それでは「料理を完成させる」という目的は達成できても、本人が考える機会を奪ってしまうかもしれません。
まず、レシピを読む。
自分なりに理解する。
やってみる。
うまくいかなければ、もう一度確認する。
それでも分からなければ、仲間に相談する。
そして、もう一度やってみる。
ASTAGEでは、この過程そのものを大切にしています。
何度もやってみて、うまくいかなくて、考えて、またやってみる。
すぐに諦めない心も、そんな経験の中で少しずつ育っていくと思うからです。

苦労したから、うれしい
料理でも、ものづくりでも同じです。
うまくできなくて腹が立つ。
イライラする。
投げ出したくなる。
「こんなプログラム、もう参加したくない」と思うことだってあります。
それでも、自分たちで考え、苦労して完成させたものは、やっぱりうれしい。
自分で作った料理を家でもう一度作って、家族に食べてもらった人もいます。
自分で作った作品を誰かにプレゼントして、喜んでもらった人もいます。
みんなで協力して完成した瞬間、思わずハイタッチすることもあります。
「できた!」
「おいしい!」
「すごいやん!」
褒めてもらう。
誰かが喜んでくれる。
その経験が、また次の「やってみよう」につながります。

支援とは、成長を妨げないこと
私は、支援とは何でもしてあげることではないと思っています。
だからといって、ただ放っておけばいいわけでもありません。
手を出すのか。待つのか。声をかけるのか。
その人をよく見ながら、適切なタイミングを考え続ける。
昨日できなかったことが、今日できるようになる。
今日できなかったことが、明日は少しできるかもしれない。
その可能性を、支援する側が先回りして奪ってはいけない。
支援とは、その人の成長を妨げないこと。
そのために、固い信念と柔軟な思考を持って、その人にとっての最善、最良を考え続ける。
そして、自分で一歩を踏み出す瞬間まで信じて待つ。
私は、それも大切な支援だと思っています。

