― あべのタスカルへの外出で見えた「社会の中で学ぶ」ということ
先日、ASTAGEのみんなで「あべのタスカル」へ行ってきました。
防災について学ぶための外出プログラムです。
ASTAGEでは、これまでにもいろいろな場所へ出かけてきました。
でも、外出プログラムをするたびに思います。
目的地で何を学ぶかだけが、外出プログラムではない。
むしろ、社会の中へ一歩出た瞬間から、学ぶことはたくさんあります。
集合するところから、もう始まっている
今回は、ASTAGEの最寄り駅に集合しました。
乗る電車の時間は決まっています。
ということは、その時間から逆算して、
何時に家を出るのか。
何時までに駅へ着けばいいのか。
準備にはどれくらい時間がかかるのか。
自分で考える必要があります。
それでも、遅れてくる人もいます。
もちろん、遅れたことだけを責めたいわけではありません。
大切なのは、
「なぜ遅れたのか」
「次はどうすれば間に合うのか」
「遅れそうな時には、どう連絡するのか」
と考えることです。
これも、社会の中で生活していくために必要な力です。
電車に乗るだけでも、学ぶことがある
駅に着けば、それで終わりではありません。
ホームでは、どこで待つのか。
通る人の邪魔になっていないか。
電車が来たら、まず降りる人を待つ。
車内では、声の大きさを考える。
仲間と一緒だから楽しくなって、つい話し声が大きくなることもあります。
駅を降りれば、今度は目的地まで歩きます。
横いっぱいに広がって歩いていないか。
前から来る人の通り道をふさいでいないか。
信号や周りを見ているか。
一つひとつは、とても小さなことです。
でも、そこには共通していることがあります。
それは、
「自分以外の人も、同じ社会の中にいる」
ということです。

「言いたいことがある」その時に言っていいのか
あべのタスカルに到着してからも、学ぶことがあります。
施設には、その場所のルールがあります。
そして、案内してくださる方がいます。
説明を聞いている途中で、
「あ、聞きたい」
「これ知ってる」
「自分も言いたい」
と思うこともあるでしょう。
質問することも、自分の意見を持つことも、とても大切です。
でも、
思った瞬間に言うことと、適切なタイミングで伝えることは違います。
今は聞く時間なのか。
質問していい時間なのか。
相手がまだ話している途中ではないか。
周りの人も説明を聞いているのではないか。
自分の「言いたい」だけではなく、その場全体を見る。
これもまた、社会の中で人と関わるための大切な力だと思います。

注意されないために学ぶのではない
こうして書いてみると、
集合時間。
電車の乗り方。
声の大きさ。
歩き方。
施設での振る舞い。
話を聞く姿勢。
「注意することばかりじゃないか」
と思うかもしれません。
でも、私は、注意されない人になるために学んでいるのではないと思っています。
なぜ、その場所ではそうするのか。
なぜ、周りを見る必要があるのか。
そこにいる人たちと、どうすれば気持ちよく同じ時間を過ごせるのか。
ルールを覚えるだけではなく、その向こうにいる「人」を考える。
そこまで分かってくると、場所が変わっても、自分で考えられるようになります。
社会のことは、社会の中で学ぶ
教室の中で、
「電車ではこうしましょう」
「人が話している時は聞きましょう」
と伝えることはできます。
でも、実際の駅には、いろいろな人がいます。
実際の電車には、混雑もあります。
実際の施設では、自分たち以外の利用者もいます。
その場に立って初めて気づくことがあります。
だからASTAGEでは、外へ出ることを大切にしています。
「社会に学ぶ・社会の中で学ぶ・社会の一員として学ぶ」
これは、こういうことでもあるのだと思います。
今回の目的地は、あべのタスカル。
もちろん、防災について学ぶことも大きな目的でした。
でも、そこへ向かい、そこで人と関わり、そして帰ってくる。
その一日の中にも、たくさんの学びがありました。
一歩外へ出るだけで、自分だけでは完結しない世界が広がっています。
その中で、
周りを見る。
人を意識する。
自分で考える。
そして、少しずつ経験を重ねる。
そんな一つひとつが、社会的自立と自律につながっていくのだと思います。
そして今日よりほんの少し、
「明日をちょっとご機嫌に。」
社会で生きることは、たくさんの人と同じ場所を共有すること。
だからこそ、社会の中でしか学べないことが、たくさんあります。

