見学に来られたAさんが、一番最初に口にされたのは、この言葉でした。幼少期に発達障害の診断は受けたものの、何とか中学・高校を卒業したAさんは、20代に入ってしばらくの期間を引きこもり状態で過ごしていたそうです。
1年前から「働かないといけない!」と一念発起し、アルバイト面接を受けまくりましたが、採用されることはありませんでした。
その後、家族からの助言を得て、就労移行支援事業所への通所を開始しました。
「僕は就職をする必要があるから、就労移行支援に行きます。」
Aさんが就労移行支援に行けなくなり始めたのは、利用を開始して1ヵ月が過ぎた頃でした。遅刻が多くなり、お昼前に行くことは当たり前。その内、曜日ごとのプログラムを選んで通所日を調整し始めたAさんは、週1~2回通所することが精一杯になっていきました。
いよいよ就労移行支援の利用が難しくなった頃、同施設の職員さんと一緒に、当事業所の見学に来られたAさん。
「僕は就職をしたいから、就労移行に通ってきた。やっぱり、元の就労移行に行きます。」
という言葉を残して、元の就労移行支援に通所する日々に戻っていかれました。
面接に受かることがゴールではない。
働き続けるために何が必要か?
良くある話ですが「就職を目指すなら就労移行支援に行かなければならない。」と思い込んでいる人がいます。
これは、自分の想いや課題にではなく、制度や事業名に合わせる思考で、限りなく間違いに近い正解だと思っています。

