ASTAGEのホームページを見たり、見学でプログラムの説明を聞いたりして、
「今の自分には難しそう」
と思う人がいるかもしれません。
ご家族から見ても、
「人前で自分の意見なんて言えるだろうか」
「知らない会社へ見学に行けるの?」
「ゲストの話を聞いて、質問するなんて……」
「大切なのは分かる。でも、今のこの子にはまだ難しいのでは?」
そう感じることもあると思います。
確かにASTAGEでは、社会の中で生きていくことを考えて、いろいろな経験をします。
でも、最初から全部できることを求めているわけではありません。
むしろ私は、
できるようになってから参加するのではなく、今の自分なりの参加から始めればいい
と思っています。
同じプログラムでも、参加の仕方は一人ひとり違う
例えば、みんなで意見を出し合うプログラム。
最初から自分の考えを話せる人ばかりではありません。
「分かりません」
「特にありません」
そう答える人もいます。
それでもいい。
まずは、ほかの人の話を聞いてみる。
すると、
「そんな考え方もあるんだ」
と知ることができます。
ゲストに質問できなくても、まずはその人の話を聞いてみる。
企業見学が不安なら、まずはみんなと一緒に行ってみる。
グループの中で話せなくても、ほかの人のやりとりを聞いてみる。
同じプログラムでも、その人によってスタート地点は違います。
大切なのは、みんなと同じようにできることではありません。
その人なりに、その場に参加してみることだと思っています。

半年後、一年後、同じ人でも参加の仕方が変わってくる
ASTAGEで過ごしていると、そんな変化を見ることがあります。
最初はほとんど話さなかった人が、一言、自分の意見を言う。
人の話を聞いているだけだった人が、自分から質問する。
外へ出ることに不安があった人が、
「今度は行ってみたい」
と言う。
昨日できなかったことが、今日突然できるようになるわけではありません。
いろいろな人と出会い、
人の考えを聞き、
自分でもやってみて、
うまくいったり、いかなかったりする。
その積み重ねの中で、少しずつ参加の仕方が変わっていきます。
私は、こういうところにも2年間という時間の意味があると思っています。

「今できない」だけで、可能性を決めない
ご家族だからこそ、
「無理をさせたくない」
「傷ついてほしくない」
と思うのは当然です。
本人自身が、
「自分には無理」
と思うこともあるでしょう。
だから、無理やりやればいいとは思いません。
できない日があってもいい。
見ているだけでもいい。
聞くだけでもいい。
一言だけでもいい。
ただ、
「今できない」ことと、「これからもできない」ことは違います。
私たちは、今できるかどうかだけで、その人の可能性を決めたくありません。
できなかったことができた。
言えなかったことが言えた。
行けなかった場所へ行けた。
そんな小さな変化を積み重ねていく。
そしていつか、誰かに言われたからではなく、
「自分もやってみたい」
と思えるようになる。
ASTAGEのプログラムは、最初から上手にできる人のためだけにあるものではありません。
できるから学ぶのではなく、できないこともあるから、一緒に学んでいく。
そのための2年間でもあると、私は思っています。

